実に日本人の3割以上が「頭痛持ち」というデータがあります。単純に約3千万人が頭痛で悩んでいるという計算です。世界中では約4割が頭痛を経験しているというデータも。もはや世界を悩ませる頭痛ですが、一言で括るにはさまざま種類があり、いくつかに分類されています。症状は一時的なものから日常生活に支障が出るほど痛みまで千差万別。また、病気の原因や大きな疾患のサインであることも多いです。
頭痛は二つに大きく分けられます。一次性頭痛と呼ばれる病気ではない繰り返し起こる頭痛。二次性頭痛と呼ばれる病気を原因とする頭痛です。さらに一次性頭痛はいくつかのタイプに分類されています。いわゆる「頭痛持ち」の症状は一次性頭痛に分類され、主に首や頭部周辺の筋肉や頭部の血管に原因があると言われています。
一次性頭痛とは
一次性頭痛には「緊張型頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」の3つのタイプがあります。その他として「緊張型頭痛」「片頭痛」の症状が交互に現れる混合型もあります。
それぞれ原因と症状が異なり、緊張型頭痛は筋肉が緊張して痛みが発生し、片頭痛は血管が拡張して発生します。群発頭痛は諸説ありますが、目の裏にある内頸動脈が拡張して痛みがあるとされ強い痛みが特徴です。
緊張型頭痛
締めつけられるような痛みが特徴です。発作性の頭痛ではなく、毎日痛むなど持続し慢性的なこともあります。過度の緊張により首や頭の筋肉の血行が悪くなり発生します。メンタル面での疲労で発生することもあります。また、長時間の業務(デスクワークなど)で同じ姿勢を続くと発生することもあります。肩こりや首の周囲の筋肉のこりが同時に発生していることが多いです。
下記のような症状が特徴です。
- 重い痛みがある(頭全体に)
- 肩こり、首の周囲も同時に痛む
- 軽いめまいが同時にある
- 夕方以降に痛む
- 処方された薬が効かない
- 温める、動かすと痛みがやわらぐ
片頭痛
発作性で脈打つような痛みがあるのが特徴です。偏頭痛と表記することもあります。名前の通り頭の片側に痛みが発生することが多く、頭の両側や後頭部にかけて起きることもあります。軽度の痛みから激しい痛みまで症状は広く、半日から3日間ほど持続します。悪化すると吐き気などを伴います。前兆があるのも特徴でチカチカする光が見えたりすることもあります。若年時に発病することが多く、成人してからは女性の発症が多くなる傾向があります。
下記のような症状が特徴です。
- 脈打つ痛み(ズキン、ズキン)
- チカチカした光が見える前兆がある
- 月に1~2回の発症
- 動くと頭に響きさらに痛む
- 悪化すると吐き気や嘔吐をもよおす
群発頭痛
一次性頭痛の中でも特に強い痛みを伴うのが特徴です。原因については諸説あり、目の裏にある内頸動脈が拡張し炎症が起きるためとされています。眼窩(がんか)部の片側を中心に激痛があり、一定の期間(群発期)に集中して発症し1日何回も発作を繰り返します。群発頭痛の患者は男性が多いです。
下記のような症状が特徴です。
- 目の奥からの強い痛み
- 発症すると2~3週間続くこともある
- 発症頻度は月に1~2回
- 症状が現れるまで1~2時間